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暖房のきいた部屋から寒い戸外や風呂場の脱衣場などに移動すると、血圧が急に上がり、人によっては脳卒中や心筋梗塞を起こす危険もあります。寒いからといって熱い風呂にどっぷりつかれば、今度は温まったことで血圧が急降下し、脳貧血の恐れも生じることもあります。こうした血圧の急変動を起こさないように冬は用心が必要です。

居間でエアコンなどをつけていれば薄着でも快適に過ごせますが、風呂場の脱衣所や洗面所、トイレ、廊下などはひんやりと寒い。寒い場所に油断して薄着のまま移動すると、血管は熱を逃さないように急に収縮する。狭い血管の中を血液が勢いよく流れるので血圧はぐっと高くなる。

日ごろ高血圧で血管の負担が大きくなっている人は、すでに血管が傷んでいることも少なくない。脳の血管などは壁面の筋肉層が薄くて弱いので、こうした急激な血圧上昇に耐えられず、血管が破れる危険も大きい。

冬は心筋梗塞などで倒れる人が多い。厚生労働省の2013年人口動態調査によれば、急性心筋梗塞による死亡者数は、夏には月2500人程度だが1~2月には2倍近くにはね上がる。

一方、冷えていた体が浴槽で温められるとどうなるか。収縮していた血管が今度は急に拡張し、血圧が急激に下がる可能性がある。人によっては寒い風呂場に入って上の血圧(収縮時血圧)が200以上に上がった後、120程度まで急降下することが起こる。そうなると全身の末端に血流をとられて脳貧血となり、もうろうとして浴槽で溺れる恐れさえ出てくる。

では冬場に血圧の急激な変化を避けるためには、具体的にどんなことを心がけたらよいのだろうか。

まず大事なのは、脱衣所などの寒い場所に小さな暖房器具を置いて、少しでも温度差をなくすこと。居間なども、厚いカーテンや窓ガラスに張る断熱シートなどを利用し、できるだけ昼間の熱を逃さない工夫が大事です。

いつも自分の血圧をきちんと測って必要な健康管理をしていれば、そもそも風呂場で血圧が200を超えるようなことにはなりません。日ごろ血圧が高めの人はまず何よりも、塩分を控え、適度な運動を心がけ、必要に応じて薬を服用して血圧を管理するように心がけておきたい。日本人の塩分摂取量は1日11グラムほどで、これを3グラム程度減らすだけでも効果がある。
寒いと塩分の多い鍋料理などを食べる機会が増えて血圧が高くなりやすいので、普段にもまして減塩するように気をつけたい。

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